カテゴリ:音楽( 5 )
赤い糸
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       ごめんね 愛されても
       愛し方を知らなかった
       離れ離れ生きていても
       不思議な糸が
       こうしてあなたを連れてくる

   「赤い糸」 
   アジアの歌姫、韓国のWAX(ワックス)の日本デビュー・シングル。
   作曲が JY Choi / KH Lim 編曲が Na Woo Ju とあり
   韓国で大ヒットした 「化粧を直して」 という曲の日本語バージョンとのこと。
   日本語の歌詞は松本隆の書き下ろしだそうだ。

   う~ん、良いですわ~!
   歌はメチャクチャ上手い!ってこともないのだけれど(ゴメン)
   この曲とこの歌詞のドラマを実に上手く歌い上げていて
   この声でこんなこと言われたら・・・
   もうダメです。グッときてしまいます。

       ごめんね もらうだけで
       何もあげるものがなくて
       あと 1000回 生まれ変わり
       生きて死んでも 
       必ずめぐり逢う運命

   WAXの声はこういう切ない愛に向いているのだと思う。
   ツヤのある美声タイプではないことがとても人間的な感じを与え、
   それが故に世界をグッとリアルなものにしているように思える。
   
   ただB面が 「恋におちて Fall in love」 というのはいただけない。
   小林明子という印象の深い色が付いた歌を歌うことで
   普通のボーカリストになってしまっている感がある。
   
   自国で5枚ものアルバムを出しているのなら
   なぜオリジナルの楽曲を入れなかったのか?
   彼女の良さをより分からせるためには
   その方が得策と思えるのだが
   このあたりに何やらお金や力関係といった
   うごうごと蠢くものを感じてしまう。

   オリジナル曲の 「化粧を直して」 という歌も気になる。
   元はどういう歌詞だったのか?
   いずれアルバムを買わなければならなくなりそう。

   ただ日本語の歌詞が松本隆なので
   彼独特の言い回しもまたとても良い。
   歌の中に 「赤い糸」 という言葉は一回も出さずに
   めぐり逢う運命をドラマチックに書き上げている。

       愛されたのに 
       愛し方を知らなかった 
       ねえあなたが動くたびに
       指からのびた
       真紅の糸が心を縫う    

   赤い糸、信じますか?      

   ps:こういう場合はK-ポップになるのか?それともJ-ポップ・・・?
      あるいはもうそんな区別はない?

   ps-2:ブログのお友だち madrayさん のところで
       オリジナルの「化粧を直して」を聴くことができました。
       WAXの本当の発声が聴けて大変興味深いです。
       言葉は違えど歌の持つ意味は確実に伝わるのだと
       韓国版、日本版を聴いて分かりました。

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by norazin | 2006-04-18 19:36 | 音楽
大阪へやって来た
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   『大阪へやってきた』 1972年 友部正人のデビューアルバム。

   東京からヒッチハイクで名古屋にやって来て
   大須・七つ寺界隈を根城に路上で歌い始める。
   やがて交番に火炎瓶を投げ、
   大阪へ渡って作ったというアルバムだ。

   そのころのことは 『どうして旅に出なかったんだ』 というアルバムの中の
   「フーテンのノリ」という曲で歌われている。
   (現在は『1976』という名でCDが再発中)。      
      
   '70年頃の日本はあらゆるものが揺れていた。
   若者たちはその「揺れ」に乗るように、
   あるいは逆らうように、様々に蠢いていた。
 
    ~どうすればいいっていうことじゃなく
     なってしまうことですべて始まった~

   「フーテンのノリ」の中で歌っているように友部は
   一番低いところから空を見上げ、
   ノートが日本中の地名でいっぱいになるくらい旅をした。
   
   やがて大阪へ渡った友部が行った先は、やはりここだった。

    ~日暮れ時の天王寺公園
     通天閣の向こう側に日が沈む~
     
   そして『大阪へやってきた』でデビューした。

   もう遠い昔の、日本が今よりも貧しく、
   いろんな夢を持っていられたころのお話だ。
  
   ps:この『大阪へやってきた』というLP盤は
      当時浜松にあった「婆沙羅」という中古レコード屋のオヤジが
      「ちょっと歪んでるのでよければあげるよ」
      と言ってくれたものだ。
      従ってA面もB面も一曲目は針が飛んで
      今だに聴けないでいる。

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by norazin | 2006-02-28 15:01 | 音楽
カル
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   マーク・ノップラーのオリジナル・サウンド・トラック 「カル」。 
   1984年作品。
   
   なんと気持ちの良い音楽なのだろう。
   
   北アイルランドを舞台にしたシリアスな(暗い)青春映画なのだが、
   その内容に反するように、(或いはそれだからこそか)
   ケルトの民族楽器とノップラーのギターが
   とても心地よい響きを紡いでいる。
   
   プレーヤーをオート・リターンにして酔っ払いながら聴いていて、
   気が付いたらベッドの周りを観葉植物で囲って夢心地、
   A面ばかりが何度も繰り返しかかっていた。

   今はCDがあるので、
   全曲通して聴けるのが、ありがたい。

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by norazin | 2005-10-17 17:07 | 音楽
どうして旅に出なかったんだ
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   1976年 友部正人の5枚目のアルバム
   
   ~昨日旅に出た”あいつ”とはまたどこかで会える気がするけれど、
    旅に出なかった”お前”とはもう会えないんじゃないかと思ってしまう~

   19歳のときにこの歌を聴き、26歳で旅に出た。
   ”あいつ”はあちこちにいた。

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by norazin | 2005-10-11 19:02 | 音楽
天使のまゆげ
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   デヴィッド・シルヴィアンの2枚組コンピレーション・アルバム、
   「エヴリシング&ナッシング」。
   
   ジャパン脱退後、独自の表現を追及してきたその耽美で深淵な音楽は、
   生の根源を問うかのように、ゆっくりと心の奥底にまで入りこみ、
   聴く者をとても心地よい世界へ誘ってくれる。
   
   これはベスト盤ということもあり、アルバム自体の出来は、
   前作の 「Dead Bees on a Cake 」 の方が目指すものが明確で、
   より彼の世界にどっぷりと浸れるのだが、
   このアルバムは、何と言ってもジャケットだ。
   
   藤原新也がバリ島で撮った「マユゲ犬」。
   この写真を一目見て気に入ってしまったデヴィッドが、
   ぜひジャケットに使いたいと、直接藤原新也に電話したのだという。

   眉毛を持った犬が、何か言いたげに
   やさしい眼差しで、こちらを見つめている。
   生あるもの同士の、不思議な繋がりを感じてしまう。

   生の深淵を求め、表現をしてきた二人も、
   また、どこかで繋がっていたのかもしれない。

   ちなみにこの犬のことは、”マユゲ犬の伝説” と題して
   「藤原悪魔」という本の中に書かれている。   
   ・・・とても切ないお話です。

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by norazin | 2005-09-25 02:44 | 音楽